◇ヒヤリハット
「盲導犬は信号の色を識別して、青だから渡る。赤だから止まるということはなく、進むか止まるかはユーザー本人の判断が必要ですよ」と訓練の時に教わりました。
同じように「どこで曲がるか」も一緒で、ユーザーの頭の中に地図が描けていて、「次を右」や「次を左」などの指示を出してやらなければいけないと習いました。
先日、いつも通っている地下道でこんなことがありました。
地下道をまっすぐ進み、下りのスロープが二つあり、二つ目を下ったら少し先を左に曲がるという場所があります。
一つ目のスロープを下り、「もうすぐ二つ目のスロープだな」と思っていると、私の盲導犬・ミッケルがその場に立ち止まりました。
何か気を引くものがあるのかな?と思い、「何?行くよっ」と進もうとしたのですが、ぐずぐずして進んでくれません。
「何してるの?行くよっ」と、少し強く引きながら歩き始めると、トボトボ着いて来ました。
そろそろ下りのスロープかなと思うのですが、スロープが出て来ません。
「あれっ? もしかして、さっきのが二つ目のスロープだった?」 私が考え事をしていて、数え間違えたことに気付きました。
「ミッケル、ごめん、ごめん、ごめん。教えてくれてたんやね」と、引き返して元の場所に戻り、曲がった後「ミッケル、ありがとう。ごめんね」と頭を撫でて謝りました。
さりげなく私のミスをフォローをしてくれるミッケルは、賢くてスゴイです。
これを私の大切な教訓にします。
「ヒヤリハット」という言葉があります。 インターネットから引用します。
★ 重大な事故になりかねないヒヤリとする体験や、ハッとした経験のことを「ヒヤリハット」といいます。労働災害の発生比率に関する統計をとったアメリカのハーバード・ウィリアム・ハインリッヒは、5,000件以上の事故事例を分析する中で、「1:29:300」という法則を見つけました。この法則は、1件の重大事故には29件の軽傷事故と300件のヒヤリハット事例があるというもので、「ハインリッヒの法則」や「ハインリッヒの災害トライアングル定理」「傷害四角錐」とも呼ばれています。★
今回の私のミスも、積み重なると大きな事故になる危険があり、これが「電車のホームでの思い込みだったら」と考えると、怖いです。
昔聞いた話です。
日本の原発について、技術は最高のレベルで事故は起こらない。
もし、危ない時は優秀な人間がチェッックしているので、機械の故障をカバー出来る。
だから、「日本の原発は絶対に大丈夫で、安心だ」と言われていました。
そんな安全神話がある中、ある人が「絶対に故障をするのが機械で、絶対にミスをするのが人間だ。その両方がたまたま重なった時、大事故は起きる」と、話されていました。
この先、自分を過信せずミッケルと一緒に力を合わせて、安全に歩いていきます。
昔聞いた「この世に絶対ということはない。絶対にっ!」の心で。
にこっ! 亀ちゃん
※写真は日本代表・背番号「3」のミッケルです。
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