◇私にやれと言われても…

 もう30年くらい前になりますが、私が百貨店でコンピュータの仕事をしていた時の話です。 

お中元と、お歳暮の季節になると「ギフトセンター」が開設され、私達のような事務所の人間も、お客様からの注文をお聞きする仕事で、売り場に応援に出ていました。 そんなある時、商品をお届けするための配達料を値上げしなければならないという年がありました。 

お客様から注文をお聞きし、送料を計算する時に「今回から送料が値上げになり、○ ○円掛かってしまいますが、よろしいでしょうか?」と確認をします。 

すると、これまで要らなかった送料が必要になったり、高くなるのですからお客様にしては、当然不満も起こります。 

 それで「えぇーっ、高いわねぇ」や、「そうなのぉっ、他の百貨店も一緒なのぉ?」 などの声がよく聞かれました。 

そんな中、あるお婆ちゃんが「ええ、ええ、いいですよ。 私にこれを届けろと言われても、よぉ届けませんから、いいですよぉ」と優しい声で言ってくれました。 

私は思わずホッコリしたことを今でもよく覚えています。 


 さて、今、コロナ問題で多くの国や県の人達が懸命に知恵を出し、頑張ってくれています。 

誰も経験したことがなく、先が見えないので、どれだけ大変なことでしょう…。 

もし、私がこの難題を突きつけられたら、恐がりで小心者の私は「どうしたらいいか 分からない」で、逃げ出したい気持ちになるかも知れません。 

 だから、対策案に対して「ええ、ええ、私にやれと言われても、ようやりませんから 」の気持ちで、改善や工夫は必要かも知れませんが、先ずは懸命に考えてもらったことに対して感謝したいと想います。 


 そうそう、ギフトセンターの応援で思い出したことがもう一つ。 

ある時、送料の計算を私が間違ってしまい、何千枚の伝票の中から、一枚の伝票を探し出さないといけないという事態になりました。 

若い20代の私は「どうやって探せばいいんだ」と、パニックになりながら伝票仕分けをしているところに駆け込んだら、仲良くしてもらっていた年配の女性がおられました。 

事情を話すと、「大丈夫、大丈夫、探しておいてあげるよ。 心配しなくて大丈夫。  この世で起きたことで、この世で解決出来ないことはないから、大丈夫」

と、私を安心させてくれました。 

 このコロナ問題が、少しでも早く解決してくれることを、心から祈ります。 

亀ちゃん 


 ※今の時期、相棒の盲導犬「ミッケル」が、随分私を癒やしてくれています。 

このブログを見てくださる方にも、癒やしのお役立ちが出来ればと想います。 

(写真は家の近くの公園のシーソーで) 


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