◇シエルはシエルの歳で
昨日、私の盲導犬シエルは9歳の誕生日を迎えました。
シエルを知る多くの仲間から、LINEでたくさんのお祝いメッセージをいただきました。
その人たちの本当の顔を私は知りません。
でも、メッセージを書いてくださっている皆さんの優しい笑顔が、私には目に浮かびました。
シエルは人間の言葉が分かりません。
でも夕方、心を込めて伝えてあげました。
「シエル、めっちゃたくさんの人たちからお祝いの言葉が届いたよ。 シエルは本当にみなさんから愛されていて、可愛がられていて幸せやねぇ」
そして、
「シエル、ドッグフード以外はあげられないんだけど、今日はいつもより大盛りにしとこうね」
と、大盛りご飯にしてあげました。
シエルは、いつもと変わらず、嬉しそうに、おいしそうに、一気に食べてくれました。
毎日元気に食べてくれること。 それだけで、ありがたいなぁと思いました。
シエルが10歳になると、私たちは別の道を歩くことになります。
だから誕生日には、毎年、残された時間を考えてしまいます。
先日、友人とそんな話をしました。
「シエルの9歳は、人間でいうと何歳かなぁ?」
色々な計算方法があるようですが、大型犬は年を取るのが早く、人間に換算すると、もう老人の仲間入りだそうです。
すると、その人が言ってくれました。
「人間に換算すると老人で、切なく感じるかもしれない。 でも犬は、人間の年齢を気にして生きているわけではないよ。
『今日は亀ちゃんと一緒に歩けた』
『いっぱい撫でてもらえた』
『名前を呼んでもらえた』
そんな『今日の幸せ』を積み重ねて生きているんじゃないかな。
老人の年齢ではなく、9歳のシエルとして。
亀ちゃんと一緒に、残された時間を幸せに生きてくれたら、それでいいんじゃない」
と。
とても納得しました。
私は勝手に人間の年齢に換算していましたが、 シエルはシエルの歳で、9歳です。
これは、ワンちゃんの年齢だけではなく、 他のことでも同じかもしれません。
幸せの基準や、物の価値。
人には人の基準があり、 私のものさしとは違う値があるのでしょう。
9歳のシエルが、私に教えてくれた大切な考え方でした。
「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」
ということわざがありますが、 私はシエルに、道を教えてもらうばかりです。
あはは。
シエル、おめでとう。
そして、いつもありがとう。
来年の誕生日も、 シエルの歳で。
私の歳で。
お互い元気に迎えましょう。
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