『「当たり外れがありますわ」から学んだこと』

 2月はたまたまイベントが重なり、いろいろな場所へ出かけ、多くの方とご縁を結ぶことができました。 出会ってくださったすべての皆様に、感謝でいっぱいです。 


 あるイベントの主催者の方が、 「あまり人数が集まっていないのですが」とおっしゃいました。 

 私は、 「聞いてくださる方が何人でも大丈夫ですよ」とお伝えしました。 


 ずっと昔、まだ目が見えていた頃の話です。 

大阪でタクシーに乗る機会があり、私は運転手さんに 「近いところですみませんね」と伝えました。

すると運転手さんが、 「えー、当たり外れがありますわ」とおっしゃり、思わず苦笑いをしました。

 

それから年月が流れ、目が見えなくなってから、鍼灸の勉強のために毎月京都へ通っていた時期がありました。 京都駅から会場までは、いつもタクシーを利用していました。 

 ある日、視覚障害の友人と帰りのタクシーに乗りました。 

私が 「京都駅までで、近くてすみませんね」と言うと、運転士さんはこうおっしゃいました。 

 「いえいえ、大丈夫ですよ。行った先でまた次のお客様に出会えることもありますから。とてもありがたいですよ。」

 私は思わず、 「そんなふうに言っていただけると、とても助かります」と伝え、昔の大阪での出来事をお話ししました。 運転士さんは笑いながら聞いてくださり、 「どんなお客様でもありがたいんです」とおっしゃいました。 

 話の流れで、私は 「最近は景気が悪いと言われていますが、タクシー業界も大変ですか?」と尋ねました。すると運転士さんは、 「確かに世間ではそう言われていますが、ありがたいことに良いお客様に恵まれています。昨日も遠距離が3本あって、とても良かったんです。お客様のお宅もよく知っていますし、安心して乗っていただけるんですよ」と話してくださいました。 

 私は 「個人タクシーですか」とお聞きすると、 「いえ、会社勤めです」とのこと。「それでも特定のお客様がおられるのですか」と尋ねると、 「はい。いつもご贔屓にしてくださるお客様がおられて、本当にありがたいんです」と答えられました。 

 私はそのお話を聞きながら、もし京都で遠距離を利用することがあれば、この運転士さんを指名したくなるだろうな、と思いました。 

 世間では景気が悪いと言われていても、良いご縁に恵まれ、良い結果を出しておられる方がいる。そのことを改めて教えられました。 

 話を戻します。 

私も講演をさせていただく中で、聞いてくださった方が、また別の講演会を開いてくださったり、私の主催する心眼塾に入ってくださったりすることがあります。 そんな時、あの運転士さんを思い出します。 

 どんなに少ない人数でも、聞いていただけることは本当にありがたいこと。 

感謝の毎日です。 

 人数の多い少ないではなく、目の前のご縁を大切にできる人のところに、また次のご縁がやってくるのかもしれません。


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