◇わざとはずしてみる術
今朝、大阪の梅田の地下街の通路を歩きながら、ふと昔を思い出しました。
「いつの間にか、遠回りに慣れたなぁ」と。
目が徐々に見えなくなる段階で、地下街の通路に入るのが難しくなった時期のことです。
これまでの道を変えて、点字ブロックに沿って歩けば、問題なく通路に辿り着けるのですが、見えていた時より60歩ほど遠回りになってしまいます。
たった60歩のことですが、遠回りになるのが嫌で、何とかこれまでの行き方で歩いていたら、一度、とんでもない方向に迷ってしまい、それに懲りた(コリた)私は点字ブ
ロックのコースを歩くようになりました。
それで「遠回り」と引き換えに「確実」を手にし、正に「急がば回れ」だなと思いま
した。
それと、もう一つ。
その通路に入ると、すぐに20歩ほどの下りのスロープがあります。
スロープの手前までと、スロープを下ってからは点字ブロックがあるのですが、スロープの途中にはありません。
だからスロープを下る時は、なるだけ真っすぐに歩くように注意をし、降りた所の点字ブロックを目指します。
でも、少し斜めに歩いてしまうと、その辺を探っても点字ブロックに当たりません。
その時は、人にぶつからないように気を遣いながら右に寄って行き点字ブロックを探すのですが、見つからなかったら、今度は左に寄って探すことになります。
たまに、それでも見つからなかった時は「右側を探した時に、距離が足りなかったの
かな?」と、もう一度右側を探しに行きます。
ウロウロしていたら、杖が人に当たることもあり、人込みの中の探索がストレスに
なっていました。
ある日「そうだっ」と思いつき、まっすぐに下るのをやめ、わざと大きく左斜めに下り切りました。
そして、少しずつ徐々に右に寄りながら前進すれば、「必ず点字ブロックに当たる」
の方法に気付きました。
通路を歩きながら、これは小さな、小さな気付きだけど、この「わざと、はずしてみる術」ひょっとしたら「誰かの役に立つかも? ブログに書いてみよっ!」
と微笑みました。 にこっ!
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